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Switch『Owlboy』プレイ感想レビュー。2Dアクションゲームの形を借りたストーリーテリングが素敵

スイッチのダウンロードソフト『Owlboy(オウルボーイ)』のプレイ感想レビュー記事です。

『Owlboy』は「2Dアクションゲーム」の形を借りながらも、けっこう「マンガ」や「アニメ」「映画」「小説」といったジャンルの作品に近い印象を受けるゲーム。この記事ではネタバレをできるだけ避けるため、スクリーンショットは物語にあまり関係ない、序盤のを少量しか載せていない、文字中心のレビューです。ご了承ください。

ec.nintendo.com

『Owlboy』は謎解き型アクション「アドベンチャー」ゲーム

Owlboy Launch Trailer

『Owlboy』は、ノルウェーのスタジオが、8年とも言われる歳月をかけて制作された、グラフィックも物語も、音楽もコスト度外視で作られた、評価の高い2Dアクションゲーム。Nintendo Switchとパソコン(Steam)で発売済みのほか、PS4、Xboxなどでもリリース予定です。

あくまで自分の印象ですが、『Owlboy』はスクリーンショットから想像していた「メトロイド」や「ドラキュラ」「ロックマン」といった、激しい横スクロール型アクションゲームとは大きく異なる、アドベンチャーゲーム要素の強い、「物語」重視のゲームでした。良い意味ですごく裏切られた作品です。

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『Owlboy』の主人公、フクロウ少年は基本的に重力の制限を受けず、上下左右自由に移動できるので、見かけ上は2Dの横スクロールアクションでも、どちらかというと「ゼルダの伝説」的な謎解きが中心のアクションゲームになっています。

探索要素は少なく、ほとんど一本道で、分岐は寄り道程度しかありません。 RPG的な成長要素も皆無。一応、集めたコインの数に応じて貰えるボーナスアイテムで、主人公が段階的に強くなります。アクションが得意な人なら、最後まで強化の必要性をほとんど感じません。

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主人公のフクロウ少年「オータス」はあまり有効な攻撃手段を持たないので、担いだ「仲間の力」を借りたり、マップ上のアイテムを使って、フィールドを切り開いていきます。 つまり「仲間=武器」というシステム。仲間が増えると、攻撃などのアクションパターンも増えるという仕組み。

個人的な感想としては、『Owlboy』は純粋なアクションゲームというより、アドベンチャーゲームに、高いアクション色を加えたゲームで、「アクション」x「パズル」x「アドベンチャー」の比率がバランスよく拮抗しています。 プレイヤーの目を楽しませてやまないビジュアル・視覚効果へのこだわりは、スマホとかで見かけるタイプの、いわゆる「ポイント&クリック型」アドベンチャーゲームも思い起こさせました。

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もちろんアクション性は高く、ボスキャラは手強さは、しっかりと敵の挙動・パターンを覚えないと攻略できません。その中でも、反射神経を使って敵を倒すだけでなく、敵の弱点を見つける「工夫」とか「ひらめき」や「発見」の方がより重要だったりします。

ザコ敵を倒しても経験値やお金が手に入るわけでも無いので、普通に倒す他にも簡単な方法があったり、逃げたり、隠れたりする場面が多くなっています。 死んだ時のペナルティがなく、リスポーンも早いので誰でも安心してプレイ可能。 アクション要素とパズルは、物語に感情移入するための「装置」としてうまく機能しています。

「メトロイド」や「ドラキュラ」「ロックマン」からイメージする、探索ゲームや、敵をなぎ倒していくタイプの2Dアクションゲームとは違うカテゴリのゲームでした。 ハードなアクションがひたすら続くゲームを期待して購入すると、肩透かしをくらうので購入前に心の準備が必要です。

『Owlboy』は本気で物語に入り込めるアクションゲーム

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『Owlboy』は物語にかけるコストが高いゲームで、どこかで聞いた話も無くは無いですが、ストーリーの壮大さは手塚治虫の初期の作品や、ジブリ、ディズニーの冒険ファンタジー映画クラス。

ゲームとストーリーの部分が別れているのでは無く、両方がシームレスにつながり、ほぼ同時に進行していきます。 言いたくても言えないのがもどかしいんですが、とにかく演出がすごくクール。フル3DCGの映画は珍しくありませんが、『Owlboy』は2Dのピクセルアートで出来た映画を見ているような、不思議な気持ちに陥る瞬間があります。

上質な物語を、ドット絵で描かれたゲームの形で体感する、珍しい体験ができます。

美しい2Dグラフィック、レトロゲームへのオマージュ

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『Owlboy』は「スーパーファミコンの新作ソフト」と言われて渡されても、一瞬信じてしまうような、丹念に描かれたドット絵グラフィックと懐かしい演出、スーファミの名作BGMを思い起こさせる雰囲気抜群の音楽が魅力。

電ファミニコゲーマーのインタビュー記事によると、作者は「ゼルダの伝説」や「マリオ3(たぬきスーツ)」、「パルテナの鏡」から『Owlboy』のイメージを発展させたそうです。言われてみれば納得。プレイしていると他にも、どこかゲームの記憶の琴線に触れる神演出が山ほど出てきます。

ドット絵で描かれた異世界の自然は「ピクセルアートの美術館」と呼びたくなるほど美しく、ドット絵好きなら、美しいグラフィックと神演出を見るためだけでも購入する価値があります。

でもちょっとプレイしてみると操作方法は現代的で、ゲーム進行も昔のゲームのような冗長さはなく、音源もスーファミ当時に近いものがあるけど、やはり何かが違い、同じようなピクセルアートでも、密度とか画角が違う?といった、ちょっとした違和感がとても心地よく、「スーパーファミコンHD」みたいなハードがあって、スクエニのアクションゲームがあったら、こんな感じ?と思いました。

『Owlboy』が3Dグラフィックだったら、ここまでの評判は得られなかった思います(特に『World to go west』とかの知名度の低さを考えると)。みんな「美しい2Dピクセルアート」への思い入れが強く、SNS的に拡散されやすいということでしょうか?

『Owlboy』と他のアクションゲーム比較

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スイッチのダウンロードソフトには、良質な2Dアクションゲームが多数、存在します。

最近プレイして面白かったSwitchのアクションゲームと比較すると『Owlboy』は上質な物語を、美しいピクセルアートで形にしたアドベンチャー色の強いアクションRPG。『Aegis Defenders』はタワーディフェンス。『Dandara』は探索型ARPGとして、上手に差別化されていると思います。

プレイ評価まとめ

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CG技術が進歩して、アメコミやSF・アニメ作品が興行収入ランキングを独占するようになった映画界への反動からか、欧米TVドラマの方はシナリオ重視傾向の作品が増えてきてます。そんな流れもあって、『Owlboy』のような"物語性"に原点回帰したインディーズゲームの登場は、自然な成り行きに思えました。

『Owlboy』は美しい2次元のピクセルアート・ゲームで、壮大な冒険物語を楽しめる、唯一無二のアクション・アドベンチャー。

世の中には実写映画やTVドラマ、小説、マンガ、アニメといった物語手法がありますが、『Owlboy』は「2Dアクションゲーム」の形を借りて、かつて無かったほど演出やストーリーにこだわった作品。「ドット絵でも、映画やアニメと同じくらい、素晴らしい物語を作れるんだ!」という意気込みを感じました。

最後に、プレイ時の注意点として、『Owlboy』は長時間遊ぶとエラーで落ちる不具合があります。重要なシーンほど長いので注意。アップデートで修正されるまでは、区切りの良いところで、たまにソフトを終了させるのがおすすめです。本当に面白いので、少しエラーで落ちても気にしないようにしましょう。

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