新発売のMacのグラフィックソフトPixelmator Pro(ピクセルメーター・プロ)の新機能と特徴、他ソフトとの比較を簡単にまとめてみました。
新旧Pixelmatorの詳細な使い方は別記事にまとめました。下記URLをご参照ください。 matagotch.hatenablog.com matagotch.hatenablog.com
目次
- 目次
- 値段・価格
- 新しいインターフェース
- 非破壊的作業
- 機械学習によるレイヤー名の自動付与や画像の解析機能
- 100を超えるブラシ
- ピクセルツール(ドット絵エディタ)
- カスタムスタイル・エフェクトのシェア機能
- パフォーマンスの向上
- Pixelmator Proでできないこと、不満点
- シェイプ・ベクタードロー機能の強化?
- Affinity Photoとの違いを比較
- まとめ
- おすすめ記事
値段・価格
期間限定価格で旧Pixelmatorは¥1,800、新しいPixelmator Proは¥7,400です。
個人的には無理して買い切り型にするよりも、月額課金制の方がサポート的に安心感があるので好きですが、Pixelmatorは半クラウドファンディング的な開発手法で成長したアプリなので、「Macネイティブのフォトエディターを作るプロジェクト」に出資しているつもりで、ソフトの進化を楽しむのがPixelmator Proとの正しい付き合い方かと思います。
新しいインターフェース
マルチウィンドウのPixelmatorに対し、Pixelmatorでは左にレイヤー、右側にツール系ボタンをまとめたシングルウィンドウUIを採用しています。
かつてMacのフォトレタッチソフト(シェアウェア)といえばシングルウィンドウのAcornかマルチウィンドウのPixelmatorの2択といった時代もありましたが、Pixelmator ProはモバイルOSの重要度が増した現在の主流であるシングルウィンドウを取り入れた形。
Pixelamator Proのシングルウィンドウ化における最大のメリットとして何より期待できるのは、iOS版とUIを統一できること=移植が容易になること。iPad Proユーザーとしては「今回のMac版PixelmatorのリニューアルはiOS版Pixelmator Pro発売の重要な布石であろう」と勝手な想像を繰り広げて、iOS版Pixelmator Proの登場が待ちきれません。
非破壊的作業
Pixelmator Proは極力オリジナル画像データを変更しない「非破壊的」写真編集機能を売りの一つとしています。
試したところカラー調整ツールは修正はいつでも追加したり取り除いたりできました。ブラシ系で調整した部分は元に戻したりできません。
タイムマシーンのような履歴の自動保存・復元機能にも対応。画像を閉じた後のアンドゥ履歴機能も今後対応予定です。
機械学習によるレイヤー名の自動付与や画像の解析機能
Pixelmatorでは機械学習機能が画像編集に有効利用されていて、画像解析してレイヤー名を自動的につけたり、画像をなぞるだけで画像を修正したり、入り組んだ範囲を選択できたり(以前から「修復ツール」や「クイック選択ツール」で同じことができた気が…)、自動的に画像を水平にできたりします。
これまでCPU・GPUの性能の違いは「同じ処理をした時の速度が違う」程度で出力結果にの差はありませんでしたが、機械学習の重要度が増すことでCPU性能が違えば使える機能や結果が違うということもそのうち起きるかもしれません。
100を超えるブラシ
旧Pixelmatorのデフォルトブラシはアーティスティックとかアブストラクト、グランジといったフォトレタッチで活躍しそうなタイプが中心でしたが、
Pixelmator Proのブラシは鉛筆やペン、インクといったイラスト制作に役立ちそうな分類になっています。
2枚のテクスチャを合わせた「デュアルテクスチャ」機能でブラシの表現力も向上。iOS版が出ればApple Pencilと組み合わせてイラスト制作アプリとしても利用できそうです。
ピクセルツール(ドット絵エディタ)
通常のペイントブラシに加えて、ピクセルデータの編集機能がつきました。
カスタムスタイル・エフェクトのシェア機能
「画像を白黒にして粒状エフェクトをかける」といったような定形処理をプリセット化して保存できたり、共有できたりします。エフェクトだけでなく、テキストの装飾スタイルも保存・共有できるほか、書類のテンプレート機能が若干強化されています。
パフォーマンスの向上
Pixelmator最大の売りは「Macネイティブな画像編集ソフト」であることです。 最新のネイティブAPI「Metal 2」で作り直されたPixelmator Proは最新のmacOS High Sierra(10.13)以降のOSにしか対応していません。
ライバルのAffinity PhotoがmacOS・iOSに加えてWindowsにも対応しているのはメリットでもありデメリットでもあります。仕様が大幅に異なるプラットフォームへの対応は、一般的に処理速度のボトルネックになります。
CPUとGPUの性能をフルに活かす、パフォーマンスに優れたMetal 2をベースに全面的に作り直されたPixelmatorは、競合ソフトのPhotoshopやAffinity Photoと比べて処理速度の面で相当有利になるものと思われます。
Pixelmator Proでできないこと、不満点
まだ数時間程度しか利用していないので勘違いかもしれませんが、すごく基本的なところでレイヤーのブレンド効果が選べない気がします。(【追記】スタイル
ツールの「不透明度」メニューからレイヤーブレンド効果が選択できます。)
せっかくシングルウィンドウにしたのにカラーパレットが別ウィンドウで、かなり使いにくいOS標準のパレット。
シェイプも基本的な図形しか無く、タッチバーには今後対応予定だそうです。Pixelmator形式以外のフォトショップ形式やJPEG、PNG画像の上書き保存オプションが無くなったのも不便。
アプリ自体もまだまだ不安定で今後の課題が山積みです。
シェイプ・ベクタードロー機能の強化?
ペイントソフトのPixelmator ProにはAffinity PhotoにおけるAffinity Designerのような対応するドローソフトの不在が大きなハンデですが、Pixelmator公式サイトにstandalone vector graphics editor(単体のベクタードローソフト)
「Vectormator」の近日公開が予告されています。
Pixelmatorのシェイプ機能も同じ名称だったので、本当に別のドローアプリにできるほどの機能強化がなされるのか不安半分ですが、こちらも期待が高まります。
Affinity Photoとの違いを比較
Affinity Photoは大掛かりな写真編集アプリなら、Pixelmator Proはちょっとした画像の加工に向いた画像編集アプリ。
Affinity Photoがマルチプラットフォームの本格フォトレタッチソフトなら、PixelmatorはMacネイティブの軽快動作が売りのペイントソフトです。
iPad版Affinity Photoは特に優れているので、自分の場合、iPadでの画像加工はAffinity Photoを、MacBookではPixelmatorをメインに利用しています。
Affinity Photoにはマルチプラットフォーム対応と高機能化のジレンマをかかえているので、Pixelmatorは「純Mac産」として差別化できています。
まとめ
従来の無印Pixelmatorはこれまでの完成品、Pixelmator Proはまだ開発途中の「これから」のアプリです。 旧Pixelmatorの登場時もそうでしたが、発売後にユーザーの意見を取り入れながら地道にソフトを洗練していくオープンな開発手法を用いる様子。 画像編集ソフトのクラウドファンディングに出資した気持ちで、やmacOS版Pixelmator Proの成熟やドローソフト「Vectormater」などの機能追加を楽しむのがPixelmator Proとの正しい付き合い方だと思います。iOS版Pixelmator Proの発売も気長に待ちましょう。
今すぐ使える完成された画像編集アプリがほしいなら従来のPixelmatorがおすすめ。 新機能をいち早く試したかったり、アプリの最新トレンドをキャッチしたいならPixelmator Proをおすすめします。現時点ではちょっと足りないところのあるグラフィックソフトでも、いずれは優れた画像編集ソフトに進化することは間違いありません。
Pixelmator Proの使い方については、しばらく使ってみて操作に慣れたら別記事にまとめる予定です。
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