スイッチ「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」はアクションとタワーディフェンスを組み合わせた斬新な戦略ゲーム。遊ぶ人が1人のときは、2人のキャラクターをせっせと入れ替えながら、遊ぶ人が2人いれば「おすそわけプレイ」で、2人別々のコントローラーで操作できます。
購入したニンテンドースイッチ版のプレイ感想レビューを書いてみました。 ec.nintendo.com
あらすじ紹介
Aegis Defenders Trailer – Co-op Platforming Meets Tower Defense - Nintendo Switch
「Aegis Defenders(イージスディフェンダーズ)」 は横スクロールの2Dアクションを組み合わせた、斬新なタワーディフェンス・ゲーム。Nintendo Switchのほか、PS4やSteam(パソコン)でも発売されている、インディーズのダウンロードソフトです。
「タワーディフェンス」とは、敵から左右から群れになって襲ってくるモンスターを、砲台や罠を駆使して撃退していくストラテジーゲームの1ジャンルです。スマホやタブレットで人気のジャンルで、一般的には画面をタッチして砲台を建てますが、「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」はスイッチらしく、コントローラーで2人のプレイヤーを動かして、プレイヤーに砲台を作らせたり、敵と戦わせたりします。アクションと戦略ゲームの入り混じった新感覚のゲームです。
「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」の物語は帝国とか宗教戦争、失われた古代兵器が出てくる感じのファンタジー。はっきり言ってしまうと「風の谷のナウシカ」のような世界です(笑)。Aegis Defendersの世界では、機械兵はイージスと呼ばれています。
遊んで見た
「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」では
- ストーリーパート(世界の歴史と、主人公達の物語)
- RPGで言うと「街」の役割を果たすキャンプ
- 2Dアクションのフィールド探索パート
- タワーディフェンスRTS
のパートを交互にこなす感じです。 さらにタワーディフェンスのパートは、建築フェーズと戦闘フェーズの2つのパート x 5セットにわかれます。
「Aegis Defenders」の凄さは、欲張りなほどいろんな要素を詰め込んだゲームでありながら、細部まで丁寧にに考えて作られていること。ちょうど海外のTVドラマのように、多彩な場面が"腹八分目"の短いサイクルで交互に切り替わるので、いつも「あ〜!!いいところで終わった!続きが気になる!」とか「今のところ、もっと遊びたかったのに!」といった"飢餓感"に襲われて、いつまでもプレイを終えられません。本当に恐ろしいゲームです……。
全体的にイラストが日本の漫画テイストで、アニメの歴史物語部分は「ナルト」っぽい感じ。「こんなマンガかアニメがあったら絶対見たい!」と思うくらい、日本人が見てもきれいなタッチのイラストで、かなりクールなストーリーが各ステージ前に流れてテンションが上がります。
ストーリーパートに分岐とかはありませんが、会話の途中に選択肢があり、返答次第で受け取れるポイントが変わってきます。魅力的なキャラクター同士の、ユーモア満載の掛け合いが毎回楽しみ。
物語が終わると2Dアクションの探索パートがスタート。
探索ステージはチュートリアルの役割も果たしています。
キャラクターは敵を直接攻撃できるほか、壁やタレット(砲台)、トラップなどのアイテムを設営できます。
探索パートは設営アイテムの力だけでなく、物語が進むと操作できる複数の主人公をお互いに協力させながら解いていく、パズル要素の強いアクションシーンになります。
「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」のアクションパートでは2つのスイッチを同時に押したり、ペアの仲間を動かさないようにする操作方法を学びますが、タワーディフェンスRTSパートでは仲間と一緒に敵を集中的に倒したり、逆に持ち場を与えて拠点を守らせたりする必要が出てきます。
タワーディフェンスのパートでは2人の主人公を切り替えながら、左右の複数のルートから、大体5回に渡って攻め入る敵から拠点を守ります。
タワーディフェンスRTSパートはさらに2つのフェーズに分けられ、リソースを集めて建築物を作り、敵の襲来に備える設営フェーズと、襲撃フェーズです。これを5回、5ウェーブ繰り返して、拠点を敵の群れから守りきったら勝利。
爆弾なら花、壁やタレットを作るなら石といったように、建築にはリソース(資源)が必要です。設営フェーズではリソースを集めつつ、兵器を建てて敵の襲来に備えます。
設営フェーズは時間制限付きで、画面下のゲージが0になると、敵が攻めてきます。
RZ
とLZ
ボタンでプレイヤーを切り替えられるだけでなく、R
とL
で武器も切り替えられるので、攻撃が激しくなるとてんやわんや。人数が増えると、LZ
と十字キーでさらに細かな命令が出せるようになります。
操作していないパートナーは、敵が近づくと勝手に攻撃してくれるので、戦況に応じてパートナーについて来させるか、持ち場を堅持させるか、瞬時に切り替える判断能力が鍵となります。
プレイヤーや設営アイテムには属性カラーがあり、特定のキャラしか通れないゲートや、敵との相性も考慮しなければいけません。襲撃前に、どのコースからどの色の敵が来るか教えてくれるので、予測される襲撃に対処して、限られた時間内で対策を講じて行きます。
しかも、2人協力しないと設営できないアイテムや、特殊な効果を持ったアイテムも出てきて、攻略法は無限大。
5ウェーブの間、拠点を守り続ければ勝利。
負けると直前のチェックポイントから再開できますが、電源を切ったり、他のソフトに切り替えたりすると手動セーブポイント(キャンプ)まで戻ります。
キャンプでは設営アイテムの新しいレシピを開放したり、セーブしたり、アイテムを購入したりできます。もし攻略に行き詰まったら、過去のステージをやり直して、お金を稼いでアイテムを強化する選択肢もあります。
アイテム屋のお姉さんがセクシー。次々あらわれる登場人物がみんな魅力的で、キャンプの会話はホント面白く、すごく良い感じです。
「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」の難易度はいつでも変更可能、セーブスロットは3つあります。 難易度はイージーモードが無く、いちばんやさしくてもノーマル。手応えがあるので、最後のタワーディフェンスのパートは、何度か失敗を繰り返して、敵の出現パターンを覚えて攻略する形になります。
アクションゲームのようにコントローラーでプレイヤーを動かして、SLGのように拠点を守る感じは、記憶の底に眠っていたゲームボーイアドバンスの名作「ナポレオン」を思い出しました(左右から敵が来るので、もっと大変ですが)。 複数キャラクターをわちゃわちゃ操作する感じが、どことなく同じSwitchのゲーム「Overcooked(オーバークロック)」にも似ています。
こういうマルチタスクなゲームは、アクションが得意な人でも向き不向きがあるので、人を選ぶ難易度かもしれません。
ここまでの紹介はまだ、ゲームをはじめて数時間程度の内容。
ゲームを進めると最終的には、最初に操作できるジイちゃんの技術者「バート」と娘のハンター「クルウ」に加え、モンクの「カイム」とシーフの「ズーラ」の合計4名の主人公を操って、プレイすることになります。
スマホでタワーディフェンス・ゲームを遊んだことがある人には、同ジャンルに単調なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ)」ではこのあと、イメージを覆すような多彩なステージやアイテムが続々登場。合わせてストーリーも盛り上がっていくので、一度プレイしてしまうと抜け出せなくなること請け合い、サービス満点の良作です。
ジョイコン「おすそわけ」2人協力プレイ
「Aegis Defenders(イージス・ディフェンダーズ) 」はJoyConを分割する、おすそわけ2人協力プレイにも対応しています。
共通のHPで2人別々にプレイする形で、プレイヤー同士が離ればなれになると、画面が左右に分割されます。2人だと敵の動きを完全に予測しなくてもOKなので、だいぶ難易度が下がります。と言うよりもむしろ、難易度の高さを考えると、協力プレイの方がデフォルトなんじゃないかと思います。ソロプレイでも楽しい「Aegis Defenders」ですが、2人だともっと楽しく遊べます。
同時期に発売されたSwitchの2Dアクションゲームと比較
ちょうどスイッチで「Aegis Defenders」と同時期に発売された「Dandara」と「Owlboy」は同じ"アクションゲーム"でありながら、いずれも際立った個性を持つ、おすすめの作品。比べてみると「Aegis Defenders」の特徴が良く分かるので、紹介させていただきます。
「Owlboy」は"横スクロール型2Dアクション版ゼルダ"とも言うべき作品。美しいグラフィック、心温まるストーリーと神演出が魅力の、割と正統派なアクションゲーム。
「Dandara」はワイヤーアクションのような独自操作と、ユニークな世界観が売りの、万人向けではない難易度最高クラスの探索型アクションゲーム。「Aegis Defenders」は物語も絵作りも素直な感じなので、「Dandara」と比べると、"クドさが足りない"と思うかもしれません(笑)。
「Aegis Defenders」はパズルアクションとタワーディフェンスをミックスしたRPG。戦場の大局を意識しながら、複数のキャラクターを同時操作して拠点を防衛する流れは、RTS(リアルタイムストラテジー)の感触に似ています。
評価レビューまとめ
「Aegis Defenders」は多彩な具材を詰め込んだ「幕の内弁当」のような欲張りなゲームでありながら、執拗なほど丹念に描かれた職人的ドット絵グラフィック、スーパーファミコンの名作BGMを思い起こさせる音楽、それぞれ別の一本のゲームが成立するくらいに詰まったアクション・パートとタワーディフェンス・パート、アニメ化、マンガ化して欲しい物語パートなど、どの部分も本当に素晴らしいクオリティで丁寧に作られています。
がんばって粗探しをするなら、純粋に「アクションだけプレイしたい」とか、「RTS(リアルタイム・ストラテジー)が好き」という人には、もしかすると、興味ない部分が長くて冗長に感じるかもしれません。
また、「Aegis Defenders」は自分のようなRTS好きにはたまらないゲームなんですが、マルチタスクが苦手な人にとっては、複数プレイヤーの同時操作が辛いかもしれません。
「Aegis Defenders」はキャンプでしかセーブ出来ないので、アクションとタワーディフェンスの2つのパートを合わせると、いずれも結構なボリュームなので、1プレイの時間は結構な長さになります。最近のゲームにしては、比較的、プレイ時間を持って行かれます。寒い冬の日に部屋にこもりながら、のんびりプレイするには最高のゲーム。また恐ろしい時間泥棒ゲームが生まれてしまった……という感想。
年末、集中的に遊んでいたiPadのゲームと比べると、Switchのタイトルは"アクション"と"RPG"のジャンルに偏りが感じられるので、「Aegis Defenders」は純粋なシミュレーションゲームではないにしろ、ジャンル的にも貴重なソフトだと思います。
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