スイッチのダウンロードソフト『Dandara(ダンダラ)』は癖が強い忍者風アクションが特徴の、非常に難易度の高い2Dアクションゲーム。 PS4やSteam、iOS、Androidでも配信されていますが、Switch版を実際に購入してプレイ。感想レビュー記事を書いてみました。
人を選ぶタイプの癖の強いゲームですが、自分にとってはベスト入りするほど面白かった、お気に入りのゲームです。 ec.nintendo.com
あらすじ紹介
Dandara Launch Trailer - Nintendo Switch
「Dandara(ダンダラ)」はNintendo Switchのほか、PS4やSteam、iOS、Androidで配信中のダウンロードソフト。かなり激しいアクションゲームなんですが、意外にもiPhoneやiPadでも遊べます。 「ダンダラ」という名前は「アフリカ系ブラジル人の戦士」のことで、ストーリーもブラジルの民話を基調としているそうです。
「メトロイド」や「悪魔城ドラキュラ」シリーズのようなオーソドックスな2D探索型アクションです。中身の方も、ファミコンソフトを思い出させる高難易度で、グラフィックのグロテスクさ、気持ち悪さまでしっかりインスパイアされた、80年代テイストのSFダークファンタジー。
ただし、「Dandara(ダンダラ)」の主人公は「戦士」と言うよりも「忍者」。通常のアクションゲームのように、フロアを走りまわれない代わりに、左アナログスティックで描いた射線上を壁伝いに渡り歩く、「ワイヤーアクション」のような、ジャンプでしか移動できないユニークなシステムが特徴です。
#Dandara's design comes from many sources. While helping with her design the ones I had in mind were:
— victor l. (@pxloto) 2018年2月9日
- Real-life Dandara dos Palmares;
- Cosmo from Ideon;
- Protoman;
- The demon Apsaras from the SMT/Persona games;
- BR Olympic Gymnast Daiane dos Santos;
- 🇧🇷 colors! 👌 pic.twitter.com/Xf4LG7mnDo
ちなみに「Dandara(ダンダラ)」はブラジル発のインディーズゲーム。Dandaraのアートワークを担当した方のツイートをみると、実際に日本のサブカルの影響を強く受けている様子がわかります。
落ち着いたBGMも、Dandaraの世界観にマッチしていて、とにかく雰囲気は抜群。HD振動が効果的に用いられていて、「4Dシネマ」ならぬ「4Dゲーム」と呼びたくなります。
遊んでみた感想
「Dandara(ダンダラ) 」のプレイヤーは歩くことができず、壁に張り付いて移動するのが特徴。つまり、直線の渡り廊下であっても、ニンジャみたいに壁をジグザグに飛び跳ねながら進まなければいけません。
「移動が煩わしくないか?」と聞かれたら、「慣れると気にならない」と答えます。床を這えないことより、壁や天井に貼り付ける自由度が、次第に楽しくなってきます。
どのカベでも貼り付けるわけではなく、白い平らなエリアだけに張り付けます。
この忍者的システムにより、画面上には見えているけど、移動できないポイントがたくさんあります。
この辺の探索ゲームっぽい感じがメトロイドっぽくて良いと思うか、面倒と思うかはプレイヤー次第。
「Dandara(ダンダラ)」の世界に重力はなく、360°・上下左右自由に移動可能。たまに画面の天地が入れ替わって、最初は方向感覚を失いますが、そのうちなれます。頻繁に入れ替わるわけではないので、酔うとかそんなことは一切ありません。
攻撃はショットガンみたいな、短距離の散弾銃。押しっぱなしにして離す、チャージショットみたいな感じです。
レトロゲームにありがちな、電気が流れる道やスパイク、
人型の兵士、弾を吐く怪物、顔、目玉、スライム、ロボットなどの敵が道を防ぎます。
たまに中ボスっぽい敵も現れます。
いつ死んでもおかしくないDandaraで、安全なエリアはキャンプだけ。キャンプに着くと、無事に長旅から帰ってきたような安堵感が味わえます。
Dandaraでは、キャンプに着いたら、集めたソルトを使い切ってレベルアップするのが鉄則。キャンプではHPを回復したり、セーブをしたり、主人公のライフ最大値や攻撃力、アイテムの回復力のレベルを上げたりできます。
エリア上の宝箱でもパワーアップ可能。
ミニマップで全体図を確認しながら、未踏破のエリアを探索してまわります。特定のルートからしか行けないエリアも多いので、部屋だけでなく空けたことがないドアを記憶する能力が必要です。
広いマップに、バリエーションに富んだ部屋盛りだくさん。「Wizardry(ウィザードリィ)」のようなダンジョンRPGで探索しているような気分にもなります。
仲間に出会うたび、新しい能力が手に入って、今まで行けなかったエリアに行けるようになります。
Dandaraでは、死んだ場所にソルト(=お金、経験値)を落とすシステムで、ドロップしたソルトはあとから回収できます。
ただし必ずしも回収できるとは限らないので、未知のエリアは、常に緊張感を持って望まないと、痛い目に合います。
この辺のゲームバランスや、心地よい緊張感は、確実に「ダークソウル」を意識したものと思います。
序盤のハイライト、顔の大きい人「アウグストゥス」。下手すると父親の顔よりも多く拝むことになりかねない難易度です。ゴリ押しも通用しないので、倒せない人もいるのでは……と心配してしまうほど、初心者にはつらいゲームバランス。最後までプレイした中で唯一、心が折れそうになったのは、まだゲームに慣れない頃の強敵、最初のコイツだけでした。
ここまではまだ、序盤中の序盤。終盤が近づくに連れ、面白さが加速度的にどんどん増していきます(難易度も)。どのステージも最後まで本当に凝っていて、ボリュームも満点、腕に自信のあるゲーマーにおすすめのゲームでした。
攻略というか注意点、コツ
『Dandara』はお金(=ソルト)で成長できるシステムなので、ザコ敵はもちろん、空き箱も積極的に壊しましょう。
ソルトは後から回収に向かえるとはいえ、死んだらドロップする仕組みなので、なるべく使い切った方が得。閉じ込められるボス戦で、大量のソルトをロストすると特に悲惨です(自分は一度、変化後のアウグストゥスで1,000ソルト失いました……)。
運が良ければ、ソルトを回収してすぐタイトルに戻ると、ソルトを回収した状態で、直前のチェックポイントに戻れるケースもあります。最終手段として、死んでキャンプに戻る(=セーブされる)直前の画面でリセット(=ゲームを終了)するのもアリ。
『Dandara』の回復アイテムは、キャンプに戻ればリチャージされるので、ガンガン使っていきましょう。ソルトの枠の効果を増強すると、アイテム使用時のHP回復量が増えるのでおすすめ。
射程が長くて、連射できる「ジョニーBミサイル」は硬い壁を壊すだけでなく、敵を倒すのにも有効です。後半、ほとんど標準攻撃になります。
明確な道案内がない探索ゲームなので、ミニマップで未踏ルームや、訪れたこと無い扉、見えるけど行けない場所を記憶しておいて、地道に踏破することが肝心。
繰り返しますが、最初だけが本当に辛かったので(笑)、参考までに、序盤のボス「アウグストゥス」を倒した後、最初に撮影したステータスのスクリーンショットを残しておきます。戦う前は、これよりもエネルギーが1コ少なかったと思います。
基本、バランス良くレベルを上げていけばクリアできました。 キャンプ場の周りは、意外と、経験値稼ぎに向いた木箱や、敵がいる事が多いので、敵が強くてどうしても進めないときは、いったんレベル稼ぎするのも一つの方法です。
評価レビューまとめ
「Dandara(ダンダラ)」は面白いのに、途中で投げ出しかねない不親切さがあるゲームなので、レビュー記事の書き甲斐がありました。大量のソルトを失いかねないシステムは酷いなーと思いつつ、ゲームにほどよい緊張感をもたらしていることは認めざるを得ません。「旅に出て成長する」という、物語の本質を感じられるような、手応えのあるゲームに仕上がっています。
序盤の敵からラスボス感満載で、ジャンプのマンガみたいにライバルの強さがどんどんインフレ化します。ずっと敵国に潜入しているような、ヒリヒリする緊張感がたまらなく、「クリアできなさそうに見えて、実は攻略できる」ゲームが好きなドM体質の方に理想のゲームです。
そのぶん、アクションゲームが苦手な人には不向きかもしれません。理不尽な難易度ではありませんが、楽しめるかどうか、人を選ぶゲームです。 少なくとも自分にとってDandaraは、「2Dアクションゲーム史上最高傑作のひとつ」と言ってしまいたいほど、個人的に刺さったゲーム。最後まで本当に凝っていて、「これほど探索が楽しかったゲームは、かつて無かったのでは?」と思った次第です。
最初のボス戦で大量のソルトを失ったとき、いちど心が折れそうになったものの、投げ出さなくてよかったと、クリア後になってしみじみ思います。 Dandaraにはクセになる、不可解な何かがあって、ほかにもSwitchで遊びたいゲームがある中、なぜかまたDandaraの世界に戻ってしまい、クリアするまでぶっ続けで遊んでしまいました。謎。
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